Any question?
会社の国籍が異なっても、面接のフォーマットは割と似ています。
自己紹介、職務に関する質問(コンサルだったらケースとか)、働き方に関する意見交換、最後にQ&Aで終了。
しかし、最後のQ&Aの扱いは日本企業と海外系で少し違うかもしれない、という会話を友人とする機会がありました。といって、私たちもすべての会社を知っているわけではないので、最近あった外資系企業における面接における失敗例から、この失敗の理由として日本企業において好まれる人物像があるのではないか、という想像を多分に含みます。
ただ、これまでに私が外資系コンサルティングファームにて面接をしていて志望者の方からいただいた質問と、それに対する感想を紹介して誰かの参考になるかも、と思い少し挙げてみました。
「有給休暇は取りやすいですか?」「残業はどのくらいですか?」
個人的に、あまりお勧めしない質問です。外資系と一括りにはできませんが、私が働いてきた多くの組織では、休暇やプライベートを確保するためにタイムマネジメントする能力は個人に求められるので、こういった質問をすると、自己管理が苦手な人が多いのかな、という印象に。おそらく、日本企業では先に帰りにくいとか、そういった事情があるのかもしれませんが、そういった会社でも、この質問をすると、やる気がないのかな、という印象を与えそうな気がします。
そして、もし有給休暇の取りにくい職場だったとして、『いいえ、取りにくいです』とは答えないはずなので、想像力のなさも心配になるところです。私だったら、これを知りたければ企業口コミサイトを見るかも。
「何年目にXXに昇格・昇進できますか?」
昔は3年目に主任、10年目に課長、のような企業もあったかもしれませんが、最近は日本企業でも新卒から初任給に差があったり、一律の扱いは減っていて、日本企業でも適した質問ではないかもしれません。米国系の企業だと、従来、時が来ればmanagerに昇進するというよりは、managerの職務定義に適合する人が内部又は外部からmanagerとして採用されるので、何年目に昇格・昇進、という質問が意味をなしません。もし、将来的に管理職になりたいのであれば、「営業部門のmanagerに求められる能力はどのようなものか、sales repとして入社した場合にどのような経験を積み、どのような能力を身に着けることで近付けるか」「会計部門のmanagerはどのようなバックグラウンドを経た人が多いか」といった質問はありそうです。
「英語はどのくらい必要ですか?」
ジュニアな方に多い質問ですが、これも口コミサイトを見ては?という印象です。外資系企業であっても、英語を使う仕事ばかりではなく、英語不問で求人しているとすれば英語は一切不要な職であり、英語が必要な職であればビジネスレベル以上の英語力を求めるといった求人になるのが基本ですし。語学力に自信のない方が、安心感を得るためにしているのかもしれませんが、自己アピールにつなげられない質問は、余程のことがない限り避けたほうがお得です。
「1年目から活躍する社員に共通する入社前や入社直後の過ごし方に傾向はありますか?」
これは「入社前にどんな勉強をすると良いですか?」「どんな資格を取ると良いですか」よりもマチュアな印象を受けました。
聞いていることは同じなのですが、『自分が何をするべきか教えてください』ではなく、『自分なりにするべきことを考える参考情報をください』という、主体性の違いがあるように見えます。
ジュニアな立場であれば、「入社前にどんな勉強をすると良いですか?」「どんな資格を取ると良いですか」でも前向きさが伝わるのでマイナスにはなりません。
「部署で新しい提案をするべきか悩んだとき、どのようなアクションを取りますか?」
自分には改善を提案するモチベーションと能力がある、という自負をアピールしつつ、チームワーカーとして手順を守りたい、という柔軟な姿勢を見せるバランスの取れた質問という印象です。また、『過去のやり方』に固執して失敗する人が多いのですが、この種の人々は能力に問題があるというよりも実行プロセスのコミュニケーションで失敗することが多いため、溶け込む姿勢は面接で観たい部分だったりもします。
この質問をきっかけに『現職ではどんな提案をしていますか』とか、アピールの時間が得られる可能性もありますし。