英語学習帖

日々の職場英語・生活英語メモ:ビジネスに使用する英単語や英語表現、話題になりそうな海外メディア記事を紹介しています

craft

カタカナでも使われるクラフト-ハンドクラフト、クラフトビール、とモノづくり的な語感はおなじみ。

でも、カタカナから想像するよりも使われ方が多様な単語だったりします。

 

craft (技術、技巧、乗り物)

guileful craft (悪知恵)

carpenter's craft (大工の仕事)

 

動詞としても使われて、

craft a brand story (ブランドストーリーを作る)

 

たとえば、LinkedIn Learningの"Learning Personal Branding" (個人のブランディングを学ぶ)というコンテンツでも、

"Chelsea explains how to develop your story, craft your messaging, and define your audience." (チェルシーがどのようにあなたのストーリーを構築し、メッセージを紡ぎ、そして聞き手を明確にするかを解説します)という使い方が。

 

ちなみに、LinkedIn Learningはビジネス系SNSの提供する有料会員向けのサービスで、最近の話題であるAIやビジネスインテリジェンスのようなテーマの入門編~中級のコースや上記のようなキャリアップ系のテーマのコースが色々と提供されていて面白いです。誰かに伝えるためのプレゼンなので、英語中級くらいでも聞き取りやすい英語で話してくれており、英語の勉強コンテンツとしても良いかも。

 

エクセルの小技なんかは、金融やコンサルをしている人間には知っていることばかり、だったりもするものの、英語でこう表現するのか、というのを勉強するには内容が分かっているコンテンツの方が向いているので、敢えて使ってみるのもおすすめです。

また、プレゼンやコミュニケーションに関するコンテンツも、海外と仕事をするうえで知っておくべきプロトコル的なことを勉強できるので、こちらもおすすめです。

最近はオンラインの教育コンテンツが充実していて、自宅でお金をあまりかけずに勉強する手段がそろった感じですね。深く学問するためやネットワークを広げるための留学の有意義さはなくならないけど、ちょっと異文化に触れてくるという短期コース出席で留学をする必要性は少し減っていくのかも。

 

海外出張が減ったり、グローバルの集合研修が減ったり、寂しいことも沢山あるけれど、教育へのアクセスにおける格差が縮小していくのは歓迎です。日本企業だと、やっぱり男性だけに海外研修の機会が回るなんてこともあるようですが、オンラインで無料ならプライベートで沢山勉強できるわけです。

一方的なオンライン視聴だとアウトプットが伴わないという欠点はあるけれど、じゃあ海外研修に行った日本人が全員アウトプットしているか、というとそうでもないことも多いので、現地での研修とオンライン受講に大きな差はないように思います。SNSで意見をアウトプットすることはできるし。

 

もちろん、ディスカッション形式で出席できるオンラインコースも色々なところで提供されているので、そうしたところで双方向な教育を受けることもできますね。

たとえば、Corseraとか。すべてが完全無料ではないけれど、オンライン講義と双方向セッションの組合せがあったり、コメントフォーラムで意見交換ができたり。こちらは終了証の発行もしてくれるので、少しキャリアの方向性を変えるために知識を習得したとか、そんなときのアピールにも良いかもしれません。

 

 

 

リモートワーク?テレワーク?

www.wsj.com

最近、在宅疲れなんて言葉も聞かれていますが、割と在宅勤務が浸透していそうな米国でもリモートワークはあまり良くない、という雰囲気のようです。

“I don’t think offices are dead.” (私の考えでは、オフィスは死んでいない)

ところで、私の身の回りではリモートワーク又はWFH(Work From Home)という言い方が多いのですが、宅配業者の方は挨拶をするたびに「今日はテレワークですか」と声をかけてくれます。

 

どちらかというとリモートワークの方がよく聞く単語になりつつあるような気もするのですが、調べてみるとがっつり在宅ならテレワークの方がより正しいのかも。

Remote Work or Telecommute: What's the Difference - 1MFWF

Generally speaking, telecommuting, remote work, working from home, and telework are all fairly synonymous. But there is a slight difference between them. Remote work implies that the worker lives outside of the geographic area of the company’s main headquarters or office. Telecommuting and telework can mean that there may (or may not) be some on-site work being done by the worker.

(一般論として、テレコミューティング、リモートワーク、WFHやテレワークは同じような意味を持つ。しかし、それぞれに微妙な違いもあって、リモートワークは従事者が会社の本社やオフィスから地理的に離れたところで仕事をすることを指す。テレコミューティングやテレワークは時には会社での作業をすることもある)

 

なお、テレワークは歴史のある言葉のようで、1973年には使われていたとか。

Telecommuting - Wikipedia

 

Hardcover vs. Softcover

www.mentalfloss.com

普段、カタカナで使っている言葉がすべて和製英語かもしれない、という恐怖症に苛まれる毎日。後天的に英語を勉強した話者には仲間も多いのではないでしょうか。

今日の安心は、ハードカバーとソフトカバーは英語。

上記リンクの記事は、なぜ、多くの人にソフトカバーが好まれるのに、必ずハードカバーが先行して出版され、1年程度が経過してからソフトカバー化されるのか、というもの。まあ、それほど驚く理由が隠されていたわけではありませんが、紹介されていた歴史が少し面白かったので。

Paperbacks revolutionized American reading habits when they first appeared in the 1930s. The softcover "pocket books" were cheaper to print, cheaper to buy, and easier to transport than the bulky hardcovers that had previously dominated bookstores. By 1960, paperbacks were the preferred book format of readers.

 (ペーパーバックは、1930年代に初めて登場し、アメリカ人の読書週間を大きく変えた。ソフトカバーの「ポケットブック」は、当時の書店を独占していた重いハードカバーに比べて、安く印刷できて安く買える、そして持ち運びやすいという利点があった。1960年には、読者の多くがペーパーバックを好むようになった)

ハードカバーを先行して発売するのは、ややコストもかかるものの高く売れるハードカバーで出版までのコストを賄うという台所事情もあれば、ハードカバーの方が出版業界の賞やレビュー対象になりやすい、図書館からの発注がかかりやすい、書店で見栄えがするなどのベネフィットもある様子。

 

Independent Online Booksellers Associationがペーパーバックの歴史を紹介している文章も面白いです。

Many references on paperbacks will tell you that the first mass-market paperback ever issued was The Good Earth, by Pearl S Buck, in 1938. Actually, of course, paperbacks have been around a lot longer than that – as early, in fact, as the 17th Century in France and Germany. In the English-speaking world James Fenimore Cooper was writing frontier stories published in paperback-like format as far back as 1823, soon to be followed by a host of imitators. (中略) Probably the first true mass-market paperback, though, was the so-called “Dime Novel”, which sprang into being in the 1860s.

(ペーパーバックに関する多くの文献情報から、最初に出版された大量消費市場向けのペーパーバックは1938年に発行されたパール・S・バックの『大地』である。もちろん、それより前から、実際に17世紀にはドイツやフランスでは、ペーパーバックは存在していた。英語圏では、ジェイムズ・フェニモア・クーパーが1823年にはすでにペーパーバック風の体裁でフロンティア物語を書いていたし、それに続く多くの著者もいた。(中略) とはいえ、おそらく最初の真に大衆市場向けのペーパーバックは、1860年代に出てきたダイムノベルと呼ばれるものだろう

A Short History of Paperbacks – IOBA Standard

"Dime Novel" (ダイムノベル)は、定価10セント(1ダイム)で買えることから名づけられたということなので、日本語だと三文小説という感じでしょうか。実際、小説をバカにするときに使われる表現でもあるようなので、その意味では同じかなと思いますが、実際に日本で三文で買える小説みたいなシリーズを知らないので、訳語と思ってしまって良いものか。

 

なお、日本では、岩波文庫がドイツのレクラム文庫(1867年創刊)に範をとり1927年に創刊とのこと。

https://www.iwanami.co.jp/news/n17803.html

 

人生を変えた本と本屋さん

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