英語学習帖

日々の職場英語・生活英語メモ:ビジネスに使用する英単語や英語表現、話題になりそうな海外メディア記事を紹介しています

入社1年目のビジネス英語大全

入社1年目の、と銘打たれていますが、これは英語を使って仕事をする英語がネイティブでない日本人なら本棚にさしておいて損のない一冊だと思ったのでご紹介。

 

込み入った話をするには不足がないわけではないものの、すべての人が必要とする会話表現、という意味ではほぼ網羅されているので、この1冊があれば社会人生活をするのに最低限の英語は身に着けられそうです。また、表現も丁寧で間違いのない感じが、誰にでもおすすめできるところです。やっぱり最初にカジュアルすぎる表現を覚えてしまうと、浮いてしまうので、ある程度の丁寧さは欲しいところです。別に部下に丁寧な言葉遣いをしたからって怒られることはないですから。一方で、役職が上位の人にカジュアルすぎる言葉遣いをしていると印象は悪いです。その点でも、本書で紹介されている表現は安心感があります。

 

なお、少し厚めの本ではあるけれど、勉強用なら紙の書籍を手に入れる方がよいかもしれません。最初に、どのくらいの知識が必要そうかを把握するのにも厚みは参考になるし、一冊分を習得し終えたときの達成感は自信になるし。ある程度、英語力のある人が参照用に持つならKindleの方が便利そうです。

 

hate crime

"hate crime" (ヘイトクライム憎悪犯罪

 

最近、アジア系(特に女性)に対するヘイトクライムが話題に上ることの増えたアメリカ。2019年から2020年にかけて、アジア系を対象としたヘイトクライムは150%の増加という調査結果が公表されていました。

www.nbcnews.com

 

それが暴力の増加につながったのは、トランプ前大統領がヘイトをあおった影響もあるのでしょうか。Covid-19が最初に発見されたのが武漢であったため、侮辱的な呼び方で煽られたこともあるし、彼の『票が盗まれた』発言は、差別主義者の考える『投票するべきでない人々』が投票したせいだ、というメッセージを含むらしいのですが、この考え方でいくと、どんどん人口が増加しているアジア系も脅威なのかもしれません。

 

 

www.npr.org

 

 

 

in the closet

edition.cnn.com

"Sam is gay, and in the closet. He has worked at the same place for 27 years, specializing in highway construction, and while he knows that some of his colleagues suspect he is gay, he has never revealed his sexuality at the office." 

(サムはゲイで、それを公言していない。彼は同じ職場で27年間、高速道路建設に従事しており、彼は一部の同僚が自信をゲイと疑っていることに気付いているが会社では性的指向について明かすことはしていない。)

 

in the closet (ゲイであることを隠している)

closetはカタカナのクローゼットですが、この中に見られたくないものを隠すことから。例えば、"a skeleton in the closet" (知られたくない秘密 ←クローゼットの中の骸骨が直訳)なんて表現も。

reveal (明らかにする、公開する)

come out (性的指向を明らかにする)

openly gay (ゲイであることを公言している人)

 

LGBTQIAの職場での苦労について、何気ない質問も相手を傷つける可能性があることに注意するべき、という一例ですが、時として"What did you do this weekend?" (週末はどう過ごしたか)という質問にも答えるべきかどうかの葛藤があると。

日本でもLGBTという概念は広まって、D&I(Diversity and Inclusion)に取り組む企業は増えているのですが、LGBTだけでなく、queer/intersex/asexualを含むマイノリティに目を向けることができているか、というとNoだろうと思います。

queerは私自身も完全に理解できていないのですが、多様な性的指向を包含する、とか、ストレートではないけれどもゲイやトランスではない、とか、そういった方たちを指すようです。

intersexは、身体性が男性と女性の中間又はそのどちらにも一致しない、と言われますが、こちらの記事が分かりやすいかもしれません。

手術されるインターセックスの子供たち トップモデルが壮絶な告白 | Q.サカマキ | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

asexualは、対象を別にして性的な関心を持たない、ということです。

 

ときに、「恋人はいるのか」という無神経な質問をする人がいますが、これは様々な個人の事情に踏み込む点も良くないですし、性的指向によっては差別への懸念から回答に悩む人もでてきますし、葛藤を持っている人であれば一層困るわけです。コロナで会食が減ったことでそうした機会は減ったものの、意識が変わったわけではないので、今起きていないからそれでよいとは言えないわけで、我々の意識は常にアップデートする必要があるなと思います。