Where Do We Go From Here
"Oprah Winfrey leads the conversation speaking directly with Black thought leaders, activists and artists about systematic racism and the current state of America. Featured guests include: Stacey Abrams, Charles M. Blow, Keisha Lance Bottoms, Ava DuVernay, Jennifer Eberhardt, Nikole Hannah-Jones, Ibram Kendi, David Oyelowo, Rashad Robinson and Bishop William J. Barber II."
(オプラ・ウィンフリーが、構造的人種差別とアメリカの現状について、黒人の思想的指導者、活動家そしてアーティストと直接の対話を行う。Stacey Abrams, Charles M. Blow, Keisha Lance Bottoms, Ava DuVernay, Jennifer Eberhardt, Nikole Hannah-Jones, Ibram Kendi, David Oyelowo, Rashad Robinson and Bishop William J. Barber IIがゲストとして参加する。)
アメリカの人気司会者兼プロデューサーによるディスカッション。35年前以上から差別について扱ってきたと会話を始めるオプラ・ウィンフリー。
私は頻繁にアメリカに滞在するし、アメリカ人の友人も多く、親族にもアメリカ人がいますが、それでも生活者であったことがないので、この対話で紹介される経験や挿入されるバイラル動画は衝撃的で、観ていて胸が苦しくなります。警察に逆らわないように、と肌の色が理由で子どもに教えなくてはいけない人々がいて、彼らはいま、生きて家に帰ってくれと子どもに伝えなくてはいけない。また、黒人の貧困について、日本では怠惰なのではないか、という人もいますが、スタートラインが違うことがいかに人を挑戦させないか、は過去のブログで紹介した動画(offensive - 英語学習帖)が分かりやすいです。そして、学術的な資料を読んではいないので確定的なことは言えませんが、暴力や貧困、その他の精神的な抑圧は、IQを下げるとか集中力を下げる、といった例もあると聞いたことがあります。番組では社会保障の欠如も触れられていて、彼らは健康に生きる権利も脅かされています。
とはいえ、アフリカ系アメリカ人は、某国営局のフェイクニュース番組が紹介するようにただ怒っているわけではなく、怒りに任せて行動することは何の意味もないと必死で訴える人や、復讐がしたいのではなく公平を求めているだけだと訴える人の動画が挿入されています。
また、裕福な(白人の)部外者の娯楽としての暴動に抗議する人もPart 2に紹介されます。よそからきて暴れて破壊行為をする人たちがいる一方で、そのコミュニティに住む人たちは破壊された街に住み続けなくてはいけない、窓を割られた店で働いている人たちもいる、こんなことをするよりも選挙にいきなさい、と叫ぶ人も。感情的ではあるけれども(こんな時に無感情ではいられない!私だって)、決して暴力的ではない。
冒頭に少しだけ紹介される動画、今もYouTubeで見れますが、青い目の観客と茶色の目(人種問わず)の観客を分けて、あえて青い目の観客には劣悪な待遇を与えつつ、青い目の人間は劣っていると教師が説明する実験。LA暴動のあった1992年に放送されています。この教師の説明は意図的な偽情報。普段は確実に差別をする側の青い目の人たち(全員が白人)が差別される側に回ることで、少し茶色い目の人たちは攻撃的に。それに対して、青い目の人たちは反論します。この番組で印象的だったのは、反論する青い目の人に対して、一瞬かもしれませんが、非常に冷淡な表情を見せた人がいたこと。これは、差別にあらがう人々を冷笑する人たちに通じるなと。日本でも、見た目は同じでも出自によって差別される人や、性別によって差別される私たち、いろいろな抗議がありますが、多数派の冷笑は本当に苦しくなります。