英語学習帖

日々の職場英語・生活英語メモ:ビジネスに使用する英単語や英語表現、話題になりそうな海外メディア記事を紹介しています

男女格差と少子化

男女格差、日本は過去最低の105位 世界経済フォーラムが発表

日本の男女格差が話題になっていますが、さらに男女格差があるとされている韓国(111位)。今週のThe Economistの特集記事でも、女性の地位に関する内容が含まれています。

 

Women in South Korea: A pram too far | The Economist

日本と状況は似ているかも。

WHEN MOTHERS SAW Park Chan-hee pushing his young daughter’s pram in the park, they assumed he was unemployed. 

(他の母親たちはPark Chan-heeさんが公園で小さな娘の乳母車を押している姿を見れば、彼は失業中だと思うだろう)

"assume ~"(~と看做す、仮定する、思い込む)

Mr Park spent a year as a stay-at-home dad, which he found harder than doing his military service.

(Parkさんは専業主夫として一年を過ごし、この生活は軍隊よりも大変だと感じた)

どんな苦労かは本文をお読みいただくとして、韓国の社会背景は:

Mothers with young children spend nearly five times as long looking after their family and home as fathers do, calculates Jayoung Yoon of the Korea Labour Institute. But at least the ratio is getting better. In 2009 men gave about half an hour a day more of their time to domestic chores than they had done ten years earlier, and women shaved off roughly 20 minutes. In the Korean sex wars, the front line moves slowly.

(Korea Labour InstituteJayoung Yoon氏によれば、小さな子を持つ母親は父親の5倍近い時間を家事に費やす。しかし、少なくとも改善した数値ではあるようだ。2009年、男性は10年前に比べて30分も家事に割く時間が増え、女性は約20分減らした。韓国の男女を巡る争いも前線はゆっくりと動いている)

"domestic"(国内の、家庭内の)

"chore"(雑事)

"shave off"(削ぎ落とす)

 

The burden of child-rearing poses a formidable obstacle to women’s professional ambitions.

(育児負担は 職業での成功を目指す女性にとってはやっかいな障害となっている)

"formidable"(手がかかる、骨が折れる、恐怖心を抱かせる)

まあ、男性たちは母を見て育ち、パート主婦の母を持てば自分の妻もそのように、専業主婦の母を持てば自分の妻もそのように、となってしまう。しかし、社会は変わってきている、といった説明が続きます。

 

ただ、男性も会社からの期待というのは日本と同じで、制度があるから育児休暇を取れるかといえば取れず、結果として、

Instead, they make unreasonable demands on their wives—who have responded by going on baby-strike.

(<声を上げる>代わりに、男性は妻に理不尽な要求をすることになってしまい、妻たちは出産拒否で応えている)

baby-strikeは一般的な言葉ではないと思いますが、ショッキングな言葉ですね。

そして、baby-strikeによって性別格差は縮小したものの、子供のいない老人が増えることになれば次世代の負担が増すことは自明であり、いろいろと頭を悩ませているようです。

 

The government is exploring two other solutions to the baby-strike. One is to make it easier for working parents to look after their own children by extending parental leave and shortening the working week. The other is to offer help with getting someone else to look after the children.

(政府は、baby-strikeに対して二つの解決策を検討している。ひとつは、働く両親が子供の面倒を見やすいように育児休暇の拡大や労働時間の縮小である。もう一方は、他者の力が借りられるようにすることである)

なんて政府の動きもあれば、

 

Mr Park notes that the South Korean media have recently begun to highlight the role of fathers in child-rearing, but he feels they are missing the point. Magazines report that engaged fathers help their children become more sociable and better “leaders”. They are urging fathers to roll their sleeves up not so much to ease their wives’ burden but to sharpen the child’s competitive edge.

Park氏によれば、韓国のメディアは子育てにおける父親の役割を取り上げ始めたれども、彼から見ると的を外している。雑誌では、父親によって子供はより社交的になり、よりよい「リーダー」になると言う。父親の仕事は妻の負担を軽減することではなく、子供の競争力を高めることだと言っている訳だ)

"competitive edge"(競争力)なんですが、edgeなので、高める=sharpenとなります。

というメディアの動きもあります。イクメンブームとはちょっと様子が違うみたいですね。

 

This competitive spirit may be the chief reason why fertility is so low.

出生率の低さの主な原因に、この競争精神もある。)

競争社会を生き残らせるために~~~で教育に力を注がなくてはいけない風潮も、子育てコストを押し上げ、少子化につながっていることも言えるようです。

 

 The coming baby boom?

一方で、新たなベビーブームを迎えようとしている国もあります。

金銭的に恵まれた層の間で、とのことですが…この記事では夫の収入が高い人だけでなく、職業を持つ女性も子供を持っていることに触れています。私の周りでも収入の高い職種・職位の女性は両立させている人が多いような気がします。子育てか仕事か選択を迫られると仕事を選ぶ人も、両立できるなら両立したいと思っていることってありますよね。女性の社会進出によって少子化が進んだとぼやくくらいなら、もう一歩進めて平等を実現すると少子化に歯止めがかかるかもしれませんね。

 

It seems that the relationship between fertility and household income has shifted. Increased prosperity used to lead to a decline in the fertility rate as parents did not need children as an insurance policy for their old age; and indeed, the modern child is very expensive to bring up. But now better-off people seem to be having more children; in the US, the fertility rate of wives whose husbands are in the top decile of income is back where it was a century ago. Having a lot of children may be a sign of status - BCA dubs this the "Brangelina effect" - or it may be that better-off women can afford the childcare help (and increased housing space) that children necessitate.

(子供の人数と家計収入の関係が変化しているようだ。世の中が豊かになると、老後の保険としての子供の必要性が減少し、子供の数を減らしてきた。<そうした社会において>実際に子育てはお金がかかる。しかし、より裕福な人々は多くの子供を持つようになってきた。アメリカでは、夫の収入が上位10%である家庭の出生率が1世紀前と同等になっている。多くの子を持つということは社会的地位の証となるのだろうーBCAはこれを「ブランジェリーナ効果」と呼んでいるーまたは、より裕福な女性が子育てに必要な支援を受けられる金銭的余裕がある(そして家も広い)ということかもしれない。)

”insurance policy” (保険証券、保険証書)

”better-off ” (より裕福な)

"decile" (10%) <-"decade"(10年)とか”decathlon”(10種競技)とか、"dec"がつくと10に関係がある単語ですね。"December"も昔は10月でした。JulyとAugustの割り込みがある前は

”Brangelina” (Brad PittとAngelina Jolie夫婦)

 

The figures also show that fertility and female employment rates are now positively correlated, whereas they were negatively correlated in 1980. BCA links this to gender equality - in countries where women earn nearly as much as men, they can afford to combine childcare with work. There may also be a copying effect - as women see that their friends and relatives cope with having children, they tend to follow suit.

(数字を見ると、1980年には負の相関関係であった出生率と女性の雇用率の関係が今や正の相関関係を持っている。BCAはこれを男女の平等に関連付けているー女性が男性と同等の収入を持つ国々では、子育てと仕事の両立が可能になる。コピー効果もあり、友人や家族が子供を持つ努力をしているのを見れば後に続く傾向がある)

"correlate"(相互に関連がある)

"cope with"(困難に立ち向かう)

"follow suit"(先例に倣う、後に続く)

 

An unequal society may see a baby boom in the financial elite but that won't be sufficient to move the overall rate as much as BCA projects.

(不平等な社会では、金銭的に恵まれた人間だけがベビーブームを迎えているようであり、BCAはこれが社会全体の出生率に影響を与えるには十分でないと予測している)

”sufficient"(十分、足りる)

"project" 動詞として使われると(予想する、見積もる、計画する)